カラスの集団

家を出てすぐの集合住宅のゴミ捨て場のゴミが散乱していてそこにカラスが何羽かいて食べ物の成れの果てなんかをつついていて一瞬ひるんだのだけどここで道を変えるのも人間としてどうなんだという生物的プライドを胸にそのまま歩を進めたところ大人しく食事を続けていればいいものを奴らもそれなりに警戒心を持っているらしく一斉に飛び立ったその数が思ったより多くて完全に後悔したのだけどまあ飛び立ってしまったわけだしむしろ安全安全と自らに言い聞かせながら速足で通り抜けようとしたところ水っぽい何かがアスファルトを叩く音が耳に飛び込んできて瞬時に鳥の糞だと察して身をすくめたのだけど音は現在地よりは遠いので気持ち速足に力を込めたところで先ほどのその音に呼応するかのように次々とびしゃびしゃ音がし始めてちょっと視線を上にあげれば思ったより多くのカラスが電線にいて次々とフンを落としていてその一つが近くで落ちるのを感じてそれはもう泣きそうになりながら走って通り過ぎたのだけど幸い着弾はしなかったので結果的にはなにもなかった水曜の朝でした